問題
問1
以下の2曲線がある。
\begin{eqnarray}
C_1&:&y=\frac{\log x}{x}\\
\\
C_2&:&y=ax^2
\end{eqnarray}
この時、曲線\(C_1,C_2\)は点\(p\)で共有し、点\(p\)において胸中の接線を持つ。
\(a\)は定数である。
この時、点\(p\)の座標と定数\(a\)を求めよ。
【解答はこちら】
問2
以下の関数のグラフを描け。
\begin{eqnarray}
y=\frac{x^3}{x^2-1}
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問3
以下の関数のグラフを描け。
\begin{eqnarray}
y=\frac{\log x}{x}
\end{eqnarray}
但し、以下の極限値を取るとする。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty}\frac{\log x}{x}=0
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問4
以下の方程式がある。
\begin{eqnarray}
\left(x^2+2x-2\right)e^{-x}+a=0
\end{eqnarray}
\(a\)は定数である。
この時、以下の極限値を取る。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty}\frac{x^2}{e^x}=0
\end{eqnarray}
この時、方程式の異なる実数解の個数を求めよ。
【解答はこちら】
問5
全ての\(x\geq0\)について以下の不等式が成立することを示せ。
\begin{eqnarray}
x-\frac{x^3}{6}\leq\sin x
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問6
以下の関数がある。
\begin{eqnarray}
f(x)=\left(1+\frac{1}{x}\right)^2\\
(x>0)
\end{eqnarray}
この時、
(1)
\(x>0\)の時、以下の不等式が満たされることを示せ。
\begin{eqnarray}
\log\left(1+\frac{1}{x}\right)<\frac{1}{\sqrt{x}}
\end{eqnarray}
(2)
以下の極限値を求めよ。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to +0}f(x)
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
解答
問1の解答 点\(P\)において2つの曲線は接している
【問題はこちら】
2つの曲線の関数をそれぞれ以下のように置く。
\begin{eqnarray}
f(x)=\frac{\log x}{x}\\
\\
g(x)=ax^2
\end{eqnarray}
ここで、点\(P\)の\(x\)座標を\(p\)と置く
2つの曲線\(C_1,C_2\)が点\(P\)において共有し共通の接線を持つということは、以下の2つの等式が成立する。
\begin{eqnarray}
f(p)&=&g(p)\tag{1.1}\\
\\
\frac{df(x)}{dx}&=&\frac{dg(x)}{dx}\tag{1.2}
\end{eqnarray}
よって、以上の2つの等式から\(a,p\)の連立方程式を考える。
まず、式1.1から以下の等式が得られる。
\begin{eqnarray}
\frac{\log p}{p}=ap^2\tag{1.3}
\end{eqnarray}
次に式1.2を考える。
\(\frac{df(x)}{dx},\frac{dg(x)}{dx}\)はそれぞれ以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\frac{df(x)}{dx}=\frac{1}{p^2}\left(1-\log p\right)\\
\\
\frac{dg(x)}{dx}=2ax
\end{eqnarray}
よって、式1.2より以下の等式が得られる。
\begin{eqnarray}
\frac{1}{p^2}\left(1-\log p\right)=2ap\tag{1.4}
\end{eqnarray}
よって、式1.3、式1.4より\(a,p\)における連立方程式を得られた。
\begin{eqnarray}
\frac{\log p}{p}=ap^2\\
\\
\frac{1}{p^2}\left(1-\log p\right)=2ap
\end{eqnarray}
以上の連立方程式を解くと\(a,p\)は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a=\frac{1}{3e}\\
\\
p=e^{\frac{1}{3}}
\end{eqnarray}
よって、点\(P\)の座標と定数\(a\)の値は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
点P=(e^{\frac{1}{3}},\frac{1}{3}e^{-\frac{1}{3}})\\
\\
a=\frac{1}{3e}
\end{eqnarray}
問2の解答 微分をして増減表を書く
【問題はこちら】
関数\(y\)の導関数を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}=\frac{x^2}{x^2-1}\left(3-\frac{2x^2}{x^2-1}\right)
\end{eqnarray}
ここで、\(\frac{dy}{dx}=0\)の時を考える。
すると、以下の方程式が求められる。
\begin{eqnarray}
3-\frac{2x^2}{x^2-1}=0
\end{eqnarray}
以上の方程式の解は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
x=\pm\sqrt{3}
\end{eqnarray}
よって、\(\frac{dy}{dx}=0\)の時の\(x\)は以下である。
\begin{eqnarray}
x=0,\pm\sqrt{3}
\end{eqnarray}
また、関数\(y\)は\(x=\pm1\)では値を取らないことが分かる。
ここで、以下の極限値を考えると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to +(1)}y&=&+\infty\\
\\
\lim_{x \to -(1)}y&=&-\infty\\
\\
\lim_{x \to +(-1)}y&=&+\infty\\
\\
\lim_{x \to -(-1)}y&=&-\infty
\end{eqnarray}
よって、関数\(y\)の増減表を書くと以下の様になる。
$$x$$ | $$\cdots$$ | $$-\sqrt{3}$$ | $$\cdots$$ | $$+(-1)$$ | $$-(-1)$$ | $$\cdots$$ | $$0$$ | $$\cdots$$ | $$-(1)$$ | $$+(1)$$ | $$\cdots$$ | $$\sqrt{3}$$ | $$\cdots$$ |
$$\frac{dy}{dx}$$ | $$+$$ | $$0$$ | $$-$$ | $$-$$ | $$-$$ | $$-$$ | $$0$$ | $$-$$ | $$-$$ | $$-$$ | $$-$$ | $$0$$ | $$+$$ |
$$y$$ | $$↗$$ | $$-\frac{3\sqrt{3}}{2}$$ | $$↘$$ | $$-\infty$$ | $$+\infty$$ | $$↘$$ | $$0$$ | $$↘$$ | $$-\infty$$ | $$+\infty$$ | $$↘$$ | $$\frac{3\sqrt{3}}{2}$$ | $$↗$$ |
よって、関数\(y\)のグラフは図2.1の様に描ける。
問3の解答 微分をして増減表を書き、極限値も考える
【問題はこちら】
関数\(y\)の導関数を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}=\frac{1}{x^2}\left(1-\log x\right)
\end{eqnarray}
この時、\(\frac{dy}{dx}=0\)の時、\(x=e\)で有ることが分かる。
よって、関数\(y\)の増減表は以下となる。
$$x$$ | $$0$$ | $$\cdots$$ | $$e$$ | $$\cdots$$ | $$\infty$$ |
$$\frac{dy}{dx}$$ | $$+$$ | $$0$$ | $$-$$ | $$0$$ | |
$$y$$ | $$\infty$$ | $$↗$$ | $$\frac{1}{e}$$ | $$↘$$ | $$0$$ |
よって、関数\(y\)は図3.1のようなグラフを描く。
この時、\(\lim_{x \to \infty}\frac{\log x}{x}=0\)を使った。
問4の解答 増減表からグラフを描き、\(y=-a\)との共有点の個数を考える
【問題はこちら】
方程式を以下のように式変形する。
\begin{eqnarray}
\left(x^2+2x-2\right)e^{-x}=-a\\
\\
f(x)=-a
\end{eqnarray}
ここで、\(f(x)=\left(x^2+2x-2\right)e^{-x}\)とした。
この方程式の実数解の個数は関数\(f(x)\)と直線\(y=-a\)との共有点の個数と等しい。
よって、最初に関数\(f(x)\)のグラフを描き、その後\(y=-a\)との共有点の個数を考える。
まず、関数\(f(x)\)の導関数を考える。
\begin{eqnarray}
\frac{df(x)}{dx}&=&e^{-x}\left(2+x\right)\left(2-x\right)
\end{eqnarray}
よって、\(\frac{df(x)}{dx}=0\)の時、\(x=\pm2\)の値を取る。
よって、関数\(f(x)\)の増減表を書くと以下の様になる。
$$x$$ | $$\cdots$$ | $$-2$$ | $$\cdots$$ | $$2$$ | $$\cdots$$ | $$\infty$$ |
$$\frac{df(x)}{dx}$$ | $$-$$ | $$0$$ | $$+$$ | $$0$$ | $$-$$ | $$0$$ |
$$f(x)$$ | $$↘$$ | $$-2e^2$$ | $$↗$$ | $$\frac{6}{e^2}$$ | $$↘$$ | $$0$$ |
よって、関数\(f(x)\)は図4.1のようなグラフを描く。
ここで、関数\(f(x)\)と直線\(y=-a\)との共有点の個数から方程式の実数解の個数は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
2e^2< a&:&実数解なし\\
\\
a<\frac{6}{e^2},a=2e^2&:&実数解1個\\
\\
0\leq a<2e^2,a=-\frac{6}{e^2}&:&実数解2個\\
\\
-\frac{6}{e^2}< a<0&:&実数解3個
\end{eqnarray}
問5の解答 \(x=0\)で関数が\(0\)以上で導関数が常に正であるならば、その関数は常に正である
【問題はこちら】
関数\(f(x)\)を以下のように置く。
\begin{eqnarray}
f(x)=\sin x-x+\frac{x^3}{6}
\end{eqnarray}
この時、関数\(f(x)\)が\(x\geq0\)の範囲で\(f(x)\geq0\)であることを示せれば不等式を満たしたことになる。
ここで、\(f(0)=0\)であることに注目する。
更に関数\(f(x)\)の導関数を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{df(x)}{dx}=\cos x-1+\frac{x^2}{2}
\end{eqnarray}
この導関数が\(x\geq0\)の範囲で0以上であれば関数\(f(x)\geq0\)であることが示される。
ここで、更に\(\frac{df(x)}{dx}\)の導関数を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{d^2f(x)}{dx^2}=-\sin x+x
\end{eqnarray}
この導関数\(\frac{d^2f(x)}{dx^2}\)が\(x\geq0\)の範囲で0以上であれば、\(\frac{df(x)}{dx}\geq0\)であることが示される。
ここで、更に\(\frac{d^2f(x)}{dx^2}\)の導関数を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{d^3f(x)}{dx^3}=-\cos x+1\geq0
\end{eqnarray}
ここで、\(\frac{d^3f(x)}{dx^3}\geq0\)であることが示された。
よって、以下の不等式が満たされることが分かる。
\begin{eqnarray}
\frac{d^2f(x)}{dx^2}\geq0\\
\\
\frac{df(x)}{dx}\geq0\\
\\
f(x)\geq0
\end{eqnarray}
よって、問題の不等式は満たされることが示された。
問6の解答 不等式を証明してからはさみうちの原理
【問題はこちら】
まず、関数\(g(x)\)を以下のように置く。
\begin{eqnarray}
g(x)=\frac{1}{\sqrt{x}}-\log\left(1+\frac{1}{x}\right)
\end{eqnarray}
関数\(g(x)\)が\(x>0\)の範囲で常に正であれば不等式を満たすことを証明できる。
ここで、\(\frac{dg(x)}{dx}\)を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{dg(x)}{dx}&=&-\frac{1}{2}x^{-\frac{3}{2}}+\frac{1}{x\left(x+1\right)}\\
\\
&=&-\frac{\left(x^{\frac{1}{2}}-1\right)^2}{2x^{\frac{3}{2}}\left(x+1\right)}\leq0
\end{eqnarray}
よって、関数\(g(x)\)は単調減少の関数である。
更に、以下の極限値を考える。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty}g(x)&=&0-\log\left(1+0\right)\\
\\
&=&0
\end{eqnarray}
よって、関数\(g(x)\)は図6.1のようなグラフを描く。
よって、関数\(g(x)\)は\(x>0\)の範囲で\(g(x)>0\)を満たすので、問題の不等式を満たすことが示された。
(2)
示した不等式からはさみうちの原理を使って極限値を求める。
不等式の両辺に\(x\)をかける。
\begin{eqnarray}
x\log\left(1+\frac{1}{x}\right)<\sqrt{x}
\end{eqnarray}
ここで、\(x>0,\log\left(1+\frac{1}{x}\right)>0\)より、以下の不等式が成立する。
\begin{eqnarray}
0<\log\left(1+\frac{1}{x}\right)^x<\sqrt{x}
\end{eqnarray}
ここで、以下の極限値を考える。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to +0}\sqrt{x}=0
\end{eqnarray}
よって、はさみうちの原理より以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to +0}\log\left(1+\frac{1}{x}\right)=\lim_{x \to +0}\log f(x)=0
\end{eqnarray}
よって、\(\lim_{x \to +0}f(x)\)は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to +0}f(x)=1
\end{eqnarray}