因数分解

因数分解とは? 覚えておくべき公式

因数分解とはかけ算の形で表すこと

因数分解とは足し算(和)で表す式を、かけ算(積)で表す方法である。

例)
\(x^2+5x+6=\underbrace{\left(x+2\right)}_{因数}\underbrace{\left(x+3\right)}_{因数}\)

式1では、左辺は\(x^2+5x+6\)とたし算の形で表されている。
一方で、右辺は\(x+2\)と\(x+3\)のかけ算で表されている。
これらの\(x+2\)と\(x+3\)を因数と呼ぶ。
両辺とも、等しくはあるが、表現の方法が異なる。

因数分解は、このようにたし算の形から、因数のかけ算の形に表現することを言う。

因数分解の方法

因数分解の方法は以下の3つがある。

  • 共通項を取り出す
  • 公式を使う
  • \(f(x)=0\)となる\(x\)を見つける

共通項を取り出す

多項式のそれぞれの項に共通の因子がかけられている時、共通の因子を取り出すことで因数分解できる。

例)
\(\underbrace{3x^2+3x+3}_{全ての項に3がかかっている}=\underbrace{3\left(x^2+x+1\right)}_{3を取り出す}\)

左辺のそれぞれの項である\(3x^2\),\(3x\),\(3\)は全て\(3\)がかかっている。
よって、左辺の多項式を3で割った\(x^2+x+1\)と\(3\)に分けることができる。
その結果、\(3\left(x^2+x+1\right)\)と因数分解することができる。
このとき、\(3\)と\(x^2+x+1\)の2つが因数となる。

公式を使う

因数分解の公式を覚える。
本記事では、2次式までの公式とする。

\(acx^2+\left(ad+bc\right)x+bd=\left(ax+b\right)\left(cx+d\right)\)

以下の公式がある。
\(acx^2+\left(ad+bc\right)x+bd=\left(ax+b\right)\left(cx+d\right)\)

以下の数式を、公式を用いて因数分解をしてみる。
\(4x^2+16x+15\)
ここで、\(x^2\)の係数である\(4\)と、定数項の\(15\)の注目する。
これらの数はそれぞれ\(ac=4\),\(bd=15\)である。
このとき、\(a,c,b,d\)の候補となる数を考えてみる。

\((a,c)=(2,2)or(-2,-2)or(1,4)or(-1,-4)\)
\((b,d)=(3,5)or(-3,-15)or(1,15)or(-1,-15)\)

ここで、公式を用いると、\(ad+bc=16\)となる必要がある。
以上を満たす\(a,b,c,d\)の組み合わせは\((a,b,c,d)=(2,3,2,5)\)となる。

よって、因数分解は
\(4x^2+16x+15=\left(2x+3\right)\left(2x+5\right)\)
となる。

\(a^2x^2\pm 2ab+b^2=\left(ax\pm b\right)^2\)

以下の公式がある。
\(a^2x^2\pm 2ab+b^2=\left(ax\pm b\right)^2\)

以下の数式を、公式を用いて因数分解してみる。

\(16x^2-24x+9\)
ここで、\(a^2=16\),\(b^2=9\)とすると、\(2ab=24\)となる。

よって、因数分解は
\(16x^2-24x+9=\left(4x-3\right)^2\)
となる。

\(a^2x^2-b^2=\left(ax+b\right)\left(ax-b\right)\)

以下の公式がある。
\(a^2x^2-b^2=\left(ax+b\right)\left(ax-b\right)\)

以下の数式を、公式を用いて因数分解してみる。
\(49x^2-16\)
ここで、\(a^2=49\,\(b^2=16\))とすると、\(a=7\),\(b=4\)となる。

よって、因数分解は
\(49x^2-16=\left(7x+4\right)\left(7x-4\right)\)
となる。

\(f(x)=0\)となる\(x\)を見つける

関数\(f(x)\)が\(0\)になるときの\(x\)を\(\alpha\)とするとき、\(f(x)\)は\(x-\alpha\)を因数に持つ。

以下の関数を実際に因数分解してみる。
\(f(x)=x^3+x^2+3x+3\)
ここで、\(x=-1\)のとき、関数\(f(x)\)は\(0\)になる。
つまり、関数\(f(x)\)は\(x+1\)を因数に持つこととなる。

よって、関数\(f(x)\)は以下のように表すことができる。
\(f(x)=\left(x+1\right)\left(ax^2+bx+c\right)\)
すると、以上の式を展開して、\(a,b,c\)が満たす条件を求めると、以下になる。
\(a=1\)
\(a+b=1\)
\(b+c=3\)
\(c=3\)
よって、\((a,b,c)=(1,0,3)\)と求めることができる。

よって、関数\(f(x)\)を因数分解すると
\(f(x)=\left(x+1\right)\left(x^2+3\right)\)
となる。