最も基本的な関数である二次関数。
二次関数を理解できれば、2次方程式などにも応用することができる。
本記事では、二次関数について説明する。
二次関数とは
二次関数とは\(x\)の最大次数が\(2\)である関数のことを言う。
例)
\begin{eqnarray}
f(x)=ax^2+bx+c\\
\\
g(x)=\alpha\left(x-\beta\right)^2+\gamma
\end{eqnarray}
また、\(x\)の最大次数が\(n\)である関数のことを\(n\)次関数と言う。
最も基本的な二次関数は\(f1(x)=x^2\)である。(図1.1)
このとき、\(f1(x)\)は\(x=0\)で最小値\(f1(x=0)=0\)を取る。
このときの座標\((0,0)\)を頂点と呼ぶ。
次に、\(f1(x)\)を\(x\)方向に\(\beta\)だけ平行移動する。
すると、新しい関数\(f2(x)=\left(x-\beta\right)^2\)となる。(図1.2)
\(f2(x)\)は\(x=\beta\)で最小値\(f2(x=\beta)=0\)を取る。
このときの座標\((\beta,0)\)は\(f2(x)\)の頂点である。
次に、\(f2(x)\)を\(y\)方向に\(\gamma\)だけ平行移動する。
すると、新しい関数\(f3(x)=x^2+\gamma\)となる(図1.3)
\(f3(x)\)は\(x=\beta\)で最小値を取る。
このときの座標\((\beta,\gamma)\)は\(f3(x)\)の頂点である。
次に、\(f1(x)\)の\(x^2\)の係数を\(\alpha\)とする。
このとき、\(\alpha\)の値によって、関数の概形が変わる。
\(1<\alpha\)
二次関数の傾きは\(f1(x)\)に比べて平らになる。
また、下に凸な関数でもある。(図1.4)
\(0<\alpha <1\)
二次関数の傾きは\(f1(x)\)に比べて急激になる。
また、下に凸な関数でもある。(図1.5)
\(\alpha <0\)
上に凸な関数である。(図1.6)
まとめると、頂点\((\beta,\gamma)\)である二次関数は以下のように表せる。
\begin{eqnarray}
f(x)=\alpha\left(x-\beta\right)^2+\gamma
\end{eqnarray}
このとき、\(\alpha\)正負によって、下に凸か、上に凸かが決まる。
また、\(|\alpha|\)が大きいほど、関数の概形は平らになっていき、小さいほど急激になる。
二次関数の表示方法
\(f(x)=ax^2+bx+c\)
特徴は、因数分解ができることである。
因数分解ができると、2次方程式\(f(x)=0\)を解きやすくなる。
\(g(x)=\alpha\left(x-\beta\right)+\gamma\)
特徴は、グラフの概形が分かりやすいことがある。
関数の頂点や、傾き具合を知ることができる。
平方完成
平方完成とは二次関数を\(f(x)=ax^2+bx+c\)の形から、\(g(x)=\alpha\left(x-\beta\right)+\gamma\)の形に式変形することである。
平方完成の公式は以下である。
\begin{eqnarray}
f(x)&=&ax^2+bx+c\\
\\
&=&a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2}{4a}+c
\end{eqnarray}
これらを\(\alpha,\beta,\gamma\)に対応させると、
\begin{eqnarray}
\alpha&=&a\\
\\
\beta&=&-\frac{b}{2a}\\
\\
\gamma&=&-\frac{b^2}{4a}+c
\end{eqnarray}
である。