問題
問1
以下の関数を微分せよ。
\begin{eqnarray}
y=e^{2x}\cos2x-1
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問2
以下の関数の逆関数の導関数を求めよ。
\begin{eqnarray}
y=\tan x\\
(-\frac{\pi}{2}< x<\frac{\pi}{2})
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問3
以下の極限を求めよ。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to 0}\frac{\log\left(\cos x\right)}{x}
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問4
以下の極限を求めよ。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty}\left(\frac{2n}{2n-1}\right)^{3n}
\end{eqnarray}
【解答はこちら】
問5
\(x\)の整式\(f(x)\)が以下の等式を満たす。
\begin{eqnarray}
\frac{d^2f(x)}{dx^2}-2x\frac{df(x)}{dx}+8f(x)=0
\end{eqnarray}
この時、\(f(1)=2\)を満たす。
この時、
(1)
\(f(x)\)の次数を求めよ。
(2)
\(f(x)\)を求めよ。
問6
関数\(f_1(x),f_2(x),f_3(x)\cdots f_n(x))\)を以下のように定める。
\begin{eqnarray}
f_1(x)=x^2\\
\\
e^xf_{n+1}(x)=\frac{d}{dx}\left(e^xf_n(x)\right)\\
(n=1,2,3,\cdots)
\end{eqnarray}
この時、
(1)
\(f_2(x)\)を求めよ。
(2)
\(f_n(x)\)を以下のように置く。
\begin{eqnarray}
f_n(x)=x^2+a_nx+b_n
\end{eqnarray}
この時、\(a_{n+1},b_{n+1}\)を\(a_n,b_n\)を用いて表わせ。
(3)
\(a_n,b_n\)を\(n\)の式で表せ。
【解答はこちら】
問7
以下の媒介変数がある。
\begin{eqnarray}
x&=&1-\cos\theta\\
\\
y&=&\theta-\sin\theta
\end{eqnarray}
この時、\(\frac{dy}{dx},\frac{d^2y}{dx^2}\)を\(\theta\)で表わせ。
【解答はこちら】
解答
問1の解答 積の微分
【問題はこちら】
積の微分を考えて微分をすると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}&=&\left(2e^{2x}\right)\cos2x+e^{2x}\left(-2\sin2x\right)\\
\\
&=&2e^{2x}\left(\cos2x-\sin2x\right)
\end{eqnarray}
問2の解答 導関数の逆関数を考える
【問題はこちら】
逆関数の導関数は以下である。
\begin{eqnarray}
\frac{dx}{dy}=\frac{1}{\frac{dy}{dx}}
\end{eqnarray}
関数\(y\)の導関数は以下である。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\cos^2x}
\end{eqnarray}
よって、逆関数の導関数は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\frac{dx}{dy}&=&\frac{1}{\frac{1}{\cos^2x}}\\
\\
&=&\cos^2x
\end{eqnarray}
問3の解答 微分の定義の形として考える
極限を以下の様に考える。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to 0}\frac{\log\left(\cos x\right)-\log\left(\cos0\right)}{x-0}
\end{eqnarray}
以上の極限は関数\(\log\left(\cos x\right)\)を\(x=0\)で微分する時の定義と同義である。
よって、極限は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to 0}\frac{\log\left(\cos x\right)-\log\left(\cos0\right)}{x-0}&=&\frac{d}{dx}\left(\log\left(\cos x\right)\right)\\
\\
&=&\frac{-\sin x}{\cos x}\\
\\
&=&-\tan x
\end{eqnarray}
問4の解答 \(e\)の定義の形に式変形する
【問題はこちら】
極限を以下のように式変形する。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty}\left(\frac{2n}{2n-1}\right)^{3n}&=&\lim_{x \to \infty}\left(\frac{2n-1}{2n}\right)^{-3n}\\
\\
&=&\lim_{x \to \infty}\left(1-\frac{1}{2n}\right)^{-3n}
\end{eqnarray}
ここで、以下のように\(n\)を別の文字\(t\)に置き換える。
\begin{eqnarray}
-\frac{1}{2n}&=&t\\
\\
n&=&-\frac{1}{2t}\\
\\
n→\infty,t→0
\end{eqnarray}
すると、極限は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty}\left(1-\frac{1}{2n}\right)^{-3n}&=&\lim_{t \to 0}\left(1+t\right)^{\frac{3t}{2}}\\
\\
&=&\lim_{t \to 0}\left(\left(1+t\right)^{\frac{1}{t}}\right)^{\frac{3}{2}}
\end{eqnarray}
ここで、\(e\)の定義を使うと極限は以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
\lim_{t \to 0}\left(\left(1+t\right)^{\frac{1}{t}}\right)^{\frac{3}{2}}=e^{\frac{3}{2}}
\end{eqnarray}
\(f(x)\)が\(n\)次式の整式であるとする。
すると、等式から\(x^n\)の係数の和は0になることが分かる。
整式\(f(x)\)の\(n\)次の項の係数を\(a\)とすると、以下の等式が成立する。
\begin{eqnarray}
-2na+8a=0\\
\\
n=4
\end{eqnarray}
よって、整式\(f(x)\)は\(4\)次式である。
(2)
整式\(f(x)\)を以下のように置く。
\begin{eqnarray}
f(x)=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e
\end{eqnarray}
ここで、\(f(x)\)の1階微分、2階微分を求めると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\frac{df(x)}{dx}&=&4ax^3+3bx^2+2cx+d\\
\\
\frac{d^2f(x)}{dx^2}&=&12ax^2+6bx+2c
\end{eqnarray}
よって、与式より以下の方程式が成立する。
\begin{eqnarray}
12ax^2+6bx+2c-2x\left(4ax^3+3bx^2+2cx+d\right)+8\left(ax^4+bx^3+cx^2+dx+e\right)&=&0\\
\\
2bx^3+4\left(3a+c\right)x^2+6\left(b+d\right)x+2\left(c+4e\right)&=&0
\end{eqnarray}
以上の方程式からそれぞれの項の係数が0になることから\(b,c,d,e\)は以下のように表せる。
\begin{eqnarray}
b&=&0\\
c&=&-3a\\
d&=&0\\
e&=&\frac{3}{4}a
\end{eqnarray}
よって、整式\(f(x)\)は\(a\)だけを用いて以下のように表せる。
\begin{eqnarray}
f(x)=ax^4-3ax^2+\frac{3}{4}a
\end{eqnarray}
ここで、\(f(1)=2\)から以下のような\(a\)の方程式を求められる。
\begin{eqnarray}
a-3a+\frac{3}{4}a=2\\
\\
a=-\frac{8}{5}
\end{eqnarray}
よって、整式\(f(x)\)は以下である。
\begin{eqnarray}
f(x)=-\frac{8}{5}x^4+\frac{24}{5}x^2-\frac{6}{5}
\end{eqnarray}
問6の解答 関数の漸化式を考える
【問題はこちら】
(1)
\(n=2\)の時を考えると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
e^xf_2(x)&=&\frac{d}{dx}\left(e^xx^2\right)\\
\\
&=&e^x\left(x^2+2x\right)
\end{eqnarray}
よって、\(f_2(x)\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
f_2(x)=x^2+2x
\end{eqnarray}
(2)
関数\(f_n(x)\)の漸化式に\(f_n(x)\)を代入すると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
e^xf_{n+1}&=&\frac{d}{dx}\left(e^x\left(x^2+a_nx+b_n\right)\right)\\
\\
&=&e^x\left(x^2+a_nx+b_n\right)+e^x\left(2x+a_n\right)\\
\\
&=&e^x\left(x^2+\left(2+a_n\right)x+\left(a_n+b_n\right)\right)
\end{eqnarray}
よって、\(f_{n+1}\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
f_{n+1}=x^2+\underbrace{\left(2+a_n\right)}_{a_{n+1}}x+\underbrace{\left(a_n+b_n\right)}_{b_{n+1}}
\end{eqnarray}
よって、\(a_{n+1},b_{n+1}\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}&=&a_n+2\\
\\
b_{n+1}&=&a_n+b_n
\end{eqnarray}
(3)
(2)で求めた\(a_n,b_n\)の漸化式を解く。
まず、\(a_n\)の漸化式に注目する。
すると、\(a_n\)は初項\(a_1=0\)で公差が2の等差数列であることが分かる。
よって、\(a_n\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
a_n=2\left(n-1\right)
\end{eqnarray}
次に\(b_n\)の漸化式に注目する。
\(b_n\)の漸化式は以下になる。
\begin{eqnarray}
b_{n+1}&=&a_n+b_n\\
\\
&=&a_n+a_{n-1}+a_{n-1}+a_{n-3}+\cdots+a_1+b_1
\end{eqnarray}
ここで、\(b_1=0\)である。
等差数列の和を求めることで\(b_n\)の漸化式を求めることができる。
和の公式から\(b_n\)の漸化式は以下になる。
\begin{eqnarray}
b_{n+1}&=&\sum_{k=1}^n2\left(n-1\right)\\
\\
&=&n\left(n-1\right)
\end{eqnarray}
よって、\(b_n\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
b_n=\left(n-1\right)\left(n-2\right)
\end{eqnarray}
問7の解答 合成関数の微分
【問題はこちら】
\(\frac{dy}{dx}\)は以下のように書ける。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}&=&\frac{dy}{d\theta}\frac{d\theta}{dx}\\
\\
&=&\frac{dy}{d\theta}\frac{1}{\frac{dx}{d\theta}}
\end{eqnarray}
次に\(\frac{dy}{d\theta},\frac{dx}{d\theta}\)を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{d\theta}&=&1-\cos\theta\\
\\
\frac{dx}{d\theta}&=&\sin\theta
\end{eqnarray}
よって、\(\frac{dy}{dx}\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}&=&\frac{dy}{d\theta}\frac{1}{\frac{dx}{d\theta}}\\
\\
&=&\frac{1-\cos\theta}{\sin\theta}
\end{eqnarray}
次に\(\frac{d^2y}{dx^2}\)を考える。
\(\frac{d^2y}{dx^2}\)は以下のように書ける。
\begin{eqnarray}
\frac{d^2y}{dx^2}&=&\frac{d}{d\theta}\left(\frac{dy}{dx}\right)\frac{d\theta}{dx}
\end{eqnarray}
次に\(\frac{d}{d\theta}\left(\frac{dy}{dx}\right)\)を求める。
\begin{eqnarray}
\frac{d}{d\theta}\left(\frac{dy}{dx}\right)&=&\frac{d}{d\theta}\left(\frac{1-\cos\theta}{\sin\theta}\right)\\
\\
&=&\left(1-\cos\theta\right)\cos\theta+\sin^2\theta\\
\end{eqnarray}
よって、\(\frac{d^2y}{dx^2}\)は以下になる。
\begin{eqnarray}
\frac{d^2y}{dx^2}&=&\left(\left(1-\cos\theta\right)\cos\theta+\sin^2\theta\right)\frac{1}{\sin\theta}\\
\\
&=&\frac{1-\cos\theta}{\tan\theta}+\sin\theta
\end{eqnarray}