問題
問1
以下の式を展開せよ。
$$\left(x+3\right)\left(x-3\right)\left(x^4+9x^2+81\right)$$
問2
以下の式を因数分解せよ。
$$x^3+8$$
問3
以下の式の展開式においてx^4の係数を求めよ。
$$\left(x+3\right)^7$$
問4
以下の展開式においてx^2の係数を求めよ。
$$\left(x^2+\frac{1}{x}\right)^7$$
問5
nが自然数の時、以下の不等式を証明せよ。
\begin{eqnarray}
\left(1+\frac{1}{n}\right)^n>2\\
\left(n\geq2\right)
\end{eqnarray}
【三次式と二項定理の解説】
解答
問1 3乗の展開
最初に初めの2つの因数を展開する。
$$\left(x+3\right)\left(x-3\right)\left(x^4+9x^2+81\right)=\left(x^2-9\right)\left(x^4+9x^2+81\right)\tag{①}$$
ここで、式の形が以下の式展開の公式に当てはまることが分かる。
$$\left(a-b\right)\left(a^2+ab+b^2\right)=a^3-b^3$$
aがx、bが9に当てはまる。
よって、公式に則って式を展開すると以下になる。
$$①=x^6-729$$
問2 3乗の因数分解
式を見ると以下の因数分解の公式の左辺に則っている事が分かる。
$$a^3+b^3=\left(a+b\right)\left(a^2-ab+b^2\right)$$
aがx、bが2に当てはまる。
よって、因数分解すると以下になる。
$$x^3+8=\left(x+2\right)\left(x^2-2x+4\right)$$
問3 二項定理の計算
式3.1を二項定理で展開した時にx^4の項は以下であることが分かる。
$${}_7 C _43^3x^4=945x^4$$
よって、x^4の係数は945である。
問4 xの乗数に注意
xの2乗の係数はx^2を3乗し1/xを4乗したものだと分かる。
その項は二項定理によって以下の様に計算できる。
$${}_7 C _3\left(x^2\right)^23^3=35x^2$$
よって、x^2の係数は35である。
問5 最初の二項に注目
まず、式4.1の左辺を二項定理で展開してみる。
$$\left(1+\frac{1}{n}\right)^n={}_n C _01^n+{}_n C _11^{n-1}\left(\frac{1}{n}\right)^1+{}_n C _21^{n-2}\left(\frac{1}{n}\right)^2+・・・+{}_n C _n\left(\frac{1}{n}\right)^n\tag{②}$$
ここで、②の右辺の第一項と第二項に注目する。
2つの項はそれぞれ1であることが分かる。
更に、右辺の3項以降は正である。
よって、②は第一項と第二項の和の時点で2の値を取り、第3項以降の和を取ることで3より大きいことが分かる。
よって、以下の不等式が成り立つ。
$$\left(1+\frac{1}{n}\right)^n>2$$
【三次式と二項定理の解説】