問題

関数の増減と極値の問題

問題

問1

以下の関数の増減を調べ、極値を求めよ。
$$f(x)=x^4-6x^2-8x-3$$

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問2

x=1で極大値5を取り、x=3で極小値1を取るような三次関数f(x)を求めよ。

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問3

以下の関数がある。
$$f(x)=x^3-3a^2x+b$$
この時、a,bは実数であり、a>0である。
以下の問に答えよ。
(1)f(x)の極大値、極小値を求めよ。
(2)極大値と極小値の絶対値が等しい時、bの値を求めよ。

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問4

以下の関数ある。
$$f(x)=2x^3+3ax^2-6bx-1$$
この時、f(x)が極値を持たないための条件を求めて、点(a,b)の存在範囲を図示せよ。

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問5

以下の関数がある。
\begin{eqnarray}
f(x)=x^3-3x^2+2\\
\\
(0\leq x\leq a,a>0)
\end{eqnarray}
この時、f(x)の最大値、最小値とその時のxを求めよ。

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問6

以下の関数がある。
\begin{eqnarray}
f(θ)=4\sin^3θ-3\sin^2θ+2\tag{式6.1}\\
\\
(0\leq θ\leq\pi)
\end{eqnarray}
この時、f(x)の最大値と最小値とその時のθを求めよ。

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関数の増減と極値の解説はこちら

解答

問1の解答 導関数が0の時を調べて増減表を書く

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f(x)の導関数f'(x)を求める。
\begin{eqnarray}
f^{\prime}(x)&=&4x^3-12x-8
\end{eqnarray}
この時、導関数f'(x)=0の時、つまりf(x)の接線の傾きが0の時を調べる。
\begin{eqnarray}
f^{\prime}(x)&=&0より\\
\\
4x^3-12x-8&=&0\\
\\
4\left(x+1\right)^2\left(x-2\right)&=&0\\
\\
x=-1,2
\end{eqnarray}
以上よりf(x)の増減表は以下となる。

$$x$$ $$\cdots$$ $$-1$$ $$\cdots$$ $$2$$ $$\cdots$$
$$f^{\prime}(x)$$ $$-$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$f(x)$$ $$↘$$ $$0$$ $$↘$$ $$-27$$ $$↗$$

よって、極小値はx=2の時-27を取る。
グラフにすると図1.1の様になる。

図1.1 関数f(x)のグラフ図1.1 関数f(x)のグラフ

問2の解答 f(x)とf'(x)から4つの連立方程式を作る

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最初に三次関数f(x)を以下のように置く。
$$f(x)=ax^3+bx^2+cx+d$$
f(x)の導関数f'(x)は以下のようになる。
$$f^{\prime}(x)=3ax^2+2bx+c$$
ここでx=1の時に極大値5を取るので以下の等式が成り立つ。
\begin{eqnarray}
f(x=1)=a+b+c+d&=&5\tag{①}\\
\\
f^{\prime}(x=1)=3a+2b+c&=&0\tag{②}
\end{eqnarray}
次にx=3で極小値1を取ることから以下の等式が成り立つ。
\begin{eqnarray}
f(x=3)=27a+9b+3c+d&=&1\tag{③}\\
\\
f^{\prime}(x=3)=27a+6b+c&=&0\tag{④}
\end{eqnarray}
①、②、③、④からa,b,c,dを連立方程式で求める。
まず、③-④より以下となる。
$$3b+2c+d=1\tag{⑤}$$
次に9×②-③より以下となる。
$$9b+6c-d=-1\tag{⑥}$$
次に3×①-②より以下となる。
$$b+2c+3d=15\tag{⑦}$$
次に3×⑤-⑥より以下となる。
\begin{eqnarray}
4d=4\\
\\
d=1
\end{eqnarray}
よって、⑥と⑦はそれぞれ⑥’、⑦’となる。
\begin{eqnarray}
3b+2c=0\tag{⑥’}\\
\\
b+2c=12\tag{⑦’}
\end{eqnarray}
次に⑥’-⑦’より以下となる。
\begin{eqnarray}
2b=-12\\
\\
b=-6
\end{eqnarray}
また、bを⑥’に代入するとcは以下になる。
\begin{eqnarray}
-18+2c=0\\
\\
c=9
\end{eqnarray}
最後に①にb,c,dを代入すると以下になる。
\begin{eqnarray}
a-6+9+1=5\\
\\
a=1
\end{eqnarray}
よって、関数f(x)は以下となる。
$$f(x)=x^3-6x^2+9x+1$$

問3の解答 絶対値の符号の切り替えに注意

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(1)
f(x)の導関数f'(x)を求める。
\begin{eqnarray}
f'(x)=3x^2-3a^2
\end{eqnarray}
ここで、f'(x)=0の時を考える。
\begin{eqnarray}
f^{\prime}(x)&=&3x^2-3a^2\\
&=&3\left(x+a\right)\left(x-a\right)\\
&=&0\\
\\
x=\pm a
\end{eqnarray}
よって、f(x)の増減表は以下となる。

$$x$$ $$\cdots$$ $$-a$$ $$\cdots$$ $$a$$ $$\cdots$$
$$f^{\prime}(x)$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$f(x)$$ $$↗$$ $$2a^3+b$$ $$↘$$ $$-2a^3+b$$ $$↗$$

よって、f(x)の極大値、極小値は以下となる。
\begin{eqnarray}
極大値:2a^3+b\\
\\
極小値:-2a^3+b
\end{eqnarray}
(2)
極大値と極小値の絶対値が等しい時は以下の条件を満たす時のみである。
\begin{eqnarray}
2a^3+b>0\\\tag{式3.1}
かつ\\
-2a^3+b<0\tag{式3.2}
\end{eqnarray}
また、極大値と極小値の絶対値が等しい時は以下の等式が成り立つ。
\begin{eqnarray}
|2a^3+b|=|-2a^3+b|\tag{式3.3}
\end{eqnarray}
式3.1と式3.2より式3.3は以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
2a^3+b=2a^3-b\\
\\
b=0
\end{eqnarray}
よって、極大値と極小値の絶対値が等しい時のbの条件は0b=0である。

問4の解答 極値を持たない条件はf'(x)=0の方程式の実数解が1個以下である

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関数f(x)が極値を持たない条件はf'(x)=0の方程式の実数解が1個もしくは0個の時である。
よって、まず最初に導関数f'(X)を求める。
\begin{eqnarray}
f^{\prime}(x)=6\left(x^2+ax-b\right)\\
f^{\prime}(x)=0の時、つまり\\
x^2+ax-b=0\tag{式4.1}
\end{eqnarray}
この時、式4.1の方程式の実数解が1個もしくは0個の時の条件を考える。
つまり、式4.1の方程式の判別式Dが0以下の時を考える。
\begin{eqnarray}
D\leq0より\\
\\
a^2+4b\leq0\\
↓\\
b\leq-\frac{a^2}{4}\tag{式4.2}
\end{eqnarray}
関数f(x)が極値を持たない条件は式4.2を満たすa,bである。
この時のa,bをグラフで表すと図4.1の青い範囲になる。

図4.1 関数f(x)が極値を持たない時のa,bの範囲図4.1 関数f(x)が極値を持たない時のa,bの範囲

この時、境界線は含まれる。

問5の解答 aの場合分け

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まず、関数f(x)の増減表を作る。
導関数f'(x)は以下である。
\begin{eqnarray}
f^{\prime}(x)=3x^2-6x
\end{eqnarray}
f'(x)=0の時を調べる。
\begin{eqnarray}
f^{\prime}(x)&=&3x\left(x-2\right)\\
&=&0\\
\\
x&=&0,2
\end{eqnarray}
よって、関数f(x)の増減表は以下となる。

$$x$$ $$0$$ $$\cdots$$ $$2$$ $$\cdots$$
$$f^{\prime}(x)$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$f(x)$$ $$2$$ $$↘$$ $$-2$$ $$↗$$

xの範囲が変わる、つまりaの値によってf(x)の最大値、最小値が変わる。よって、aの値の場合分けによってf(x)の最大値、最小値を求める。

$

$$0< a<2$$

< a<2$$

図5.1の青い範囲がxの範囲である。

図5.1 0<a<2の時のf(x)のグラフ図5.1 0<a<2の時のf(x)のグラフ

よって、f(x)の最大値、最小値は以下となる。
\begin{eqnarray}
最大値&:&f(x=0)=2\\
\\
最小値&:&f(x=a)=a^3-3a^2+2
\end{eqnarray}

$\leq a\leq3$$

図5.2の青い範囲がxの範囲である。

図5.2 2≦a≦3の時の関数f(x)のグラフ図5.2 2≦a≦3の時の関数f(x)のグラフ

よって、f(x)の最大値、最小値は以下となる。
\begin{eqnarray}
最大値&:&f(x=0)=2\\
\\
最小値&:&f(x=2)=-2
\end{eqnarray}

$\leq a$$

図5.3の青い範囲がxの範囲である。

図5.3 3≦aの時の関数f(x)のグラフ図5.3 3≦aの時の関数f(x)のグラフ

よって、f(x)の最大値、最小値は以下となる。
\begin{eqnarray}
最大値&:&f(x=a)=a^3-3a^2+2\\
\\
最小値&:&f(x=2)=-2
\end{eqnarray}

問6の解答 sinθをtと置いて、tの関数として調べる

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まず、sinθを以下のように置く。
\begin{eqnarray}
\sinθ=t
\end{eqnarray}
よって、f(x)は以下のようにtの関数として見ることができる。
\begin{eqnarray}
g(t)=4t^3-3t+2\\
\\
(0\leq t\leq1)
\end{eqnarray}
ここでtの関数であるg(t)について調べる。
まず、g(t)の導関数g'(t)を求める。
\begin{eqnarray}
g^{\prime}(t)=12t^2-6t
\end{eqnarray}
g'(t)=0の時は以下となる。
\begin{eqnarray}
g^{\prime}(t)&=&6t\left(2t-1\right)\\
&=&0\\
\\
t=0,\frac{1}{2}
\end{eqnarray}
よって、g(t)の増減表は以下となる。

$$t$$ $$0$$ $$\cdots$$ $$\frac{1}{2}$$ $$\cdots$$ $$1$$
$$g^{\prime}(t)$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$ $$+$$
$$g(t)$$ $$2$$ $$↘$$ $$\frac{7}{4}$$ $$↗$$ $$3$$

よって、g(t)は図6.1のようなグラフの青い範囲となる。

図6.1 g(t)のグラフ図6.1 g(t)のグラフ

よって、g(t)の最大値、最小値は以下となる。
\begin{eqnarray}
最大値&:&g(t=1)=3\\
&&(=f(θ=\frac{\pi}{2}))\\
\\
最小値&:&g(t=\frac{1}{2})=\frac{7}{4}\\
&&(=f(θ=\frac{\pi}{6},\frac{5}{6}\pi))
\end{eqnarray}