数学Ⅰ

二次方程式の解法と性質

[mathjax]
二次方程式とは二次関数が0の値を取る場合を求める方程式である。

例)
$$x^2+6x-16=0$$
という方程式のようにxの2次式の方程式の事を二次方程式と呼ぶ。
また、二次方程式を満たすxを二次方程式の解と呼ぶ。

二次方程式の解の公式

二次方程式の解を求めるには解の公式を使うと便利である。

解の公式を以下に示す。
$$ax^2+bx+c=0$$
という二次方程式の解の公式は
$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
となる。

例)
$$x^2+6x-16=0$$
以上の二次方程式を解の公式を使って解くとすると、
\begin{eqnarray}
x&=&\frac{-6\pm\sqrt{6^2-4×-16}}{2}\\
&=&\frac{-6\pm10}{2}\\
&=&2,-8
\end{eqnarray}
となり、二次方程式を解くことができた。

次の章で説明するように因数分解ができない場合はこの解の公式を使うとどんな二次方程式でも解くことができる。

因数分解で解く二次方程式

解の公式で二次方程式を解くことはできるが、計算が面倒な時がある。
そんな時に活躍するのは因数分解である。
因数分解をすることで一瞬で二次方程式を解くことができる。

例)
$$x^2+6x-16=0\tag{式1}$$
式1を因数分解すると、
$$x^2+6x-16=\left(x+8\right)\left(x-2\right)=0\tag{式2}$$

と因数分解することができる。
因数分解の方法

この時、式2を満たすようなxを考えると因数であるx+8とx-2のどちらかが0になると式2を満たすことになる。

よって、式2を満たすxは
$$x=-8,2$$
となる。
二次方程式の解は前章の解と一致することが分かる。
よって、二次方程式を因数分解によって解くことができた。

実数解の個数を調べる判別式D

二次方程式には解の個数が必ずしも2つであるわけではない。
パターンとしては以下の3つが存在する。

  • 解が2つ
  • 解が1つ(重解)
  • 解が存在しない
  • この解の個数を調べるために判別式Dを用いる。
    判別式Dは以下の式である。
    $$D=b^2-4ac$$
    \begin{eqnarray}
    D>0の時、解が2つ\\
    D=0の時、解が1つ(重解)\\
    D<0の時、解は存在しない
    \end{eqnarray}
    判別式Dは解の公式の平方根の中の式である。
    平方根の中は正でなければならないので、平方根の中の数字が負の時は解を持たなくなるのである。
    また、判別式Dが0になる時は解の公式の±がなくなるので解が2つではなく1つになるのである。

    正確には判別式Dで分かるのは実数解の個数であり、虚数という概念を用いれば判別式Dが負であっても解を求めることができる。
    二次方程式の虚数解

    放物線と直線の共有点の求め方

    放物線と直線が交わる点を共有点と呼ぶ。
    今まで二次方程式を求めてきたのは、放物線とX=0の直線の共有点を求めていたのと等しい。
    つまり、
    $$y=ax^2+bx+c\\
    y=0$$
    の2つの関数の共有点を求めていたのである。

    この共有点を求めるには、この2つの関数が同じ値を取る場所を求めれば良い。
    つまり、2つの式を=で結べば良いのである。
    よって、
    $$ax^2+bx+c=0$$
    という二次方程式の形になるのである。

    では、y=0の直線ではなく他の直線y=dx+eのような直線との共有点を求めるにはどうすればよいか。

    それは、この場合も=で結べば良いのである。
    よって、
    \begin{eqnarray}
    ax^2+bx+c=dx+e \nonumber \\
    ax^2+\left(b-d\right)x+c-e=0\tag{式3}
    \end{eqnarray}
    となる。
    この時の式3の二次方程式を解けば放物線と直線の共有点を求めることができるのである。

    例)
    $$y=x^2+6x-16\\
    y=12x$$
    これらの式を=で結ぶと、
    $$x^2+6x-16=12x\\
    x^2-6x-16=0\\
    \left(x-8\right)\left(x+2\right)=0$$
    よって、
    $$x=8,-2$$
    となる。

    また、放物線と直線の共有点の個数を求める時にも判別式を用いる事ができる。
    2つの式を=で結んでから二次方程式の形にした後で判別式を使うのである。

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