問題

漸化式と数学的帰納法の問題

問題

問1

数列\({a_n}\)の初項から第n項までの和が\(S_n=2a_n-n\)である。
この時、
(1)\(a_{n+1}\)を\(a_n\)で表わせ。
(2)\({a_n}\)の一般項を求めよ。

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問2

1,2,3,4,5,6,7,8と書かれたカードが1枚ずつある。
この時、カードをランダムに1枚だけ引いて元に戻すという試行をn回繰り返す。
この時、8が奇数回出る確率を\(p_n\)とする。
(1)\(p_{n+1}\)を\(p_n\)で表わせ。
(2)\(p_n\)の一般項を求めよ。

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問3

\(a_1=0,a_2=2,a_{n+2}+3a_{n+1}-4a_n=0\)を満たす漸化式がある。
この漸化式を以下の(1),(2)に沿ってそれぞれ数列\({a_n}\)の一般項を求めよ。
(1)\(a_{n+2}-a_{n-1}=-4\left(a_{n+1}-a_n\right)\)
(2)\(a_{n+2}+4a_{n+1}=a_{n+1}+4a_n\)

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問4

数列\(a_n\)の漸化式が以下の様にある。
\begin{eqnarray}
na_{n+1}=\left(n+1\right)a_n
\end{eqnarray}
この時、初項\(a_1=1\)である。
この時の数列\(a_n\)の一般項を求めよ。

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問5

\(n\geq4\)の時、以下の不等式が満たされることを証明せよ。
\begin{eqnarray}
2^{n+1}> n^2+3n
\end{eqnarray}

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問6

以下の値がある。
\begin{eqnarray}
3^{n+1}+4^{2n+1}\tag{6.1}
\end{eqnarray}
この値は全ての自然数nにおいて13の倍数であることを証明せよ。

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問7

以下の値がある。
\begin{eqnarray}
\left(1+\sqrt{2}\right)^n+\left(1-\sqrt{2}\right)^n\tag{7.1}
\end{eqnarray}
式7.1は全ての自然数nについて自然数であることを証明せよ。

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漸化式と数学的帰納法の解説はこちら

解答

問1の解答 新しい数列\(b_n\)を考える

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(1)
\(a_{n+1}\)は\(S_{n+1}\)と\(S_n\)の差である。
よって、以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}&=&S_{n+1}-S_n\\
\\
&=&2a_{n+1}-\left(n+1\right)-\left(2a_n-n\right)\\
\\
&=&\frac{3}{2}a_n+n+\frac{1}{2}\tag{1.1}
\end{eqnarray}
(2)
式1.1を\(a_{n+1}-c=p\left(a_n-c\right)\)を満たすpとcを求める。
このような式の形にすると\(a_n-c\)という数列は公比pの等比数列と見ることができる。
以上の式を展開すると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}=pa_n+c\left(1-p\right)
\end{eqnarray}
以上の式を式1.1に当てはめ\(p,c\)は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
p=\frac{3}{2}\\
\\
c=-2n-1
\end{eqnarray}
よって、式1.1は以下のように変形できる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}+2n+1=\frac{3}{2}\left(a_n+2n+1\right)
\end{eqnarray}
ここで、\(b_n=a_n+2n+1\)という数列を考える。
数列\(b_n\)は以下の漸化式を満たす。
\begin{eqnarray}
b_{n+1}=\frac{3}{2}b_n
\end{eqnarray}
よって、数列\({b_n}\)は公比\(\frac{3}{2}\)の等比数列であることが分かる。
更に、\(b_1=2a_1(=S_1)+2+1=4\)より、\(b_n\)は以下のような数列となる。
\begin{eqnarray}
b_n=4\left(\frac{3}{2}\right)^{n-1}
\end{eqnarray}
よって、\(b_n\)と\(a_n\)の関係から\(a_n\)は以下の様に一般項を求めることができる。
\begin{eqnarray}
4\left(\frac{3}{2}\right)^{n-1}&=&a_n+2n+1\\
↓\\
a_n&=&4\left(\frac{3}{2}\right)^{n-1}-2n-1
\end{eqnarray}

問2の解答 \(p_{n+1}\)の確率を場合分けする

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(1)
\(p_{n+1}\)はn回試行を行った時の時点で8が出た回数が偶数のときと奇数のときで場合分けして、それぞれの確率を足して求める。

まず、n回試行を行った時点で8が出た回数が奇数の時を考える。
まず、n回試行を行った時点で8が出た回数が奇数になる確率は\(p_n\)である。
よって、n+1回目の試行では8以外が出る時を考える。
8以外が出る確率は\(\frac{7}{8}\)である。
よって、n回試行を行った時点で8が出た回数が奇数である時の\(p_{n+1}\)の確率は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\frac{7}{8}p_n\tag{2.1}
\end{eqnarray}

次にn回試行を行った時点で8が出た回数が偶数の時を考える。
まず、n回試行を行った時点で8が出た回数が偶数になる確率は\(1-p_n\)である。
よって、n+1回目での試行では8が出る時を考える。
8が出る確率は\(\frac{1}{8}\)である。
よって、n回試行を行った時点で8が出た回数が偶数である時の\(p_{n+1}\)の確率は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\frac{1}{8}\left(1-p_n\right)\tag{2.2}
\end{eqnarray}
よって、求める\(p_{n+1}\)は2.1と2.2の和なので以下の様になる。
\begin{eqnarray}
p_{n+1}&=&\frac{7}{8}p_n+\frac{1}{8}\left(1-p_n\right)\\
\\
&=&\frac{3}{4}p_n+\frac{1}{8}\tag{2.3}
\end{eqnarray}

関連単元
サイコロの確率とは

(2)
ここで式2.3を\(p_{n+1}-c=q\left(p_n-c\right)\)の式に変形した時の\(p,c\)を考える。
すると、式2.3は以下のように変形できる。
\begin{eqnarray}
p_{n+1}-\frac{1}{2}=\frac{3}{4}\left(p_n-\frac{1}{2}\right)
\end{eqnarray}
ここで、\(b_n=p_n-\frac{1}{2}\)となる数列\({b_n}\)を考える。
つまり、以下の等式を満たす。
\begin{eqnarray}
b_{n+1}=\frac{3}{4}b_n
\end{eqnarray}
この時、数列\({b_n}\)は公比が\(\frac{3}{4}\)の等比数列であることが分かる。
更に、\(b_1=p_1(=\frac{1}{8})-\frac{1}{2}=-\frac{3}{8}\)なので\({b_n}\)の一般項は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
b_n=-\frac{3}{8}\left(\frac{3}{4}\right)^{n-1}
\end{eqnarray}
よって、\(p_n,b_n\)の関係から\({p_n}\)の一般項は以下のように求められる。
\begin{eqnarray}
-\frac{3}{8}\left(\frac{3}{4}\right)^{n-1}&=&p_n-\frac{1}{2}\\
↓\\
p_n&=&-\frac{3}{8}\left(\frac{3}{4}\right)^{n-1}+\frac{1}{2}
\end{eqnarray}

問3の解答 ∑の使い方と新しい数列\(b_n,c_n\)を考える

問題はこちら

(1)
以下の式が与えられている。
\begin{eqnarray}
a_{n+2}-a_{n+1}=-4\left(a_{n+1}-a_n\right)
\end{eqnarray}
この時、\(b_n=a_{n+1}-a_n\)となる数列\(b_n\)を考える。
すると、\(b_n\)は以下の漸化式を満たす。
\begin{eqnarray}
b_{n+1}=-4b_n\tag{3.1}
\end{eqnarray}
式3.1より数列\(b_n\)は公比が\(-4\)の等比数列であることが分かる。
また、\(b_1=a_2-a_1=2\)である。
よって、数列\(b_n\)は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
b_n=2\left(-4\right)^{n-1}
\end{eqnarray}

次に数列\(b_n,a_n\)の関係を考えると数列\(a_n\)は以下の漸化式を満たす。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}-a_n=2\left(-4\right)^{n-1}\tag{3.2}\\
\end{eqnarray}
ここで式3.2を考える。
\(a_{n+1}=\)の形に直すと以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}&=&2\left(-4\right)^{n-1}+a_n\\
\\
&=&2\left(-4\right)^{n-1}+2\left(-4\right)^{n-2}+\cdots+2\left(-4\right)^1+2\left(-4\right)^0+a_1
\\
&=&2\sum_{k=1}^{n-1}\left(-4\right)^{k-1}\tag{3.3}
\end{eqnarray}
\(a_n\)は\(n>k\)である\(a_k\)の全体の和であるので以上のようになる。
よって、等比数列の和の公式を使うと式3.3は以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
(式3.3)&=&2\frac{1-\left(-4\right)^{n-1}}{1-\left(-4\right)}\\
\\
&=&\frac{2}{5}\left(1-\left(-4\right)^{n-1}\right)
\end{eqnarray}

(2)
以下の与式がある。
\begin{eqnarray}
a_{n+2}+4a_{n+1}=a_{n+1}+4a_n
\end{eqnarray}
この時、\(b_n=a_{n+1}+4a_n\)と置く。
すると、数列\(b_n\)の漸化式は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
b_{n+1}=b_n
\end{eqnarray}
また、初項\(b_1=a_2+4a_1=2\)である。
よって、数列\(b_n\)は以下のようになる。
\begin{eqnarray}
b_n=2
\end{eqnarray}
ここで、数列\(b_n,a_n\)の関係から\(a_n\)の漸化式を求めると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}+4a_n=2\tag{3.4}
\end{eqnarray}
ここで、式3.4の漸化式を\(a_{n+1}-c=p\left(a_n-c\right)\)の形になるように式変形する。
式変形すると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}-\frac{2}{5}=-4\left(a_n-\frac{2}{5}\right)
\end{eqnarray}
ここで、\(c_n=a_n-\frac{2}{5}\)となる数列\(c_n\)を考える。
すると、数列\(c_n\)の漸化式は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
c_{n+1}=-4c_n
\end{eqnarray}
よって、\(c_n\)は公比が\(-4\)の等比数列であることが分かる。
また、初項\(c_1=a_1-\frac{2}{5}=\frac{2}{5}\)である。
よって、数列\(c_n\)の一般項は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
c_n=\frac{2}{5}\left(-4\right)^{n-1}
\end{eqnarray}

次に\(c_n,a_n\)の関係から\(a_n\)の一般項を求める。
\(a_n\)の一般項は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_n-\frac{2}{5}&=&\frac{2}{5}\left(-4\right)^{n-1}\\
↓\\
a_n&=&\frac{2}{5}\left(1-\left(-4\right)^{n-1}\right)
\end{eqnarray}

問4の解答 分子と分母から約分ができる

問題はこちら

\(a_{n+1}=\)の形に式変形すると以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}=\frac{n+1}{n}a_n\tag{4.1}
\end{eqnarray}
この時、式4.1の右辺の\(a_n\)を計算していくと以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}=\frac{n+1}{n}\frac{n}{n-1}\frac{n-1}{n-2}\cdots\frac{3}{2}\frac{2}{1}a_1\tag{4.2}
\end{eqnarray}
式4.2は分母と一つ前の分子と約分できることが分かる。
よって、\(a_{n+1}\)は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1}=n+1
\end{eqnarray}
つまり、\(a_n=n\)である。

問5の解答 不等式の証明は差が0以上であるということを証明すれば良い

問題はこちら

以下の不等式を数学的帰納法によって証明する。
\begin{eqnarray}
2^{n+1}-n^2-3n>0\tag{5.1}
\end{eqnarray}

まず、\(n=4\)の時を考える。
すると、式5.1は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
2^5-4^2-3\cdot4=4>0
\end{eqnarray}
よって、\(n=4\)の時は式5.1を満たす。

次に\(n=k\)の時、式5.1を満たすと仮定する。
つまり、以下の不等式が成立すると仮定する。
\begin{eqnarray}
2^{k+1}>k^2+3k\tag{5.2}
\end{eqnarray}
この時、\(n=k+1\)の時の式5.1を考える。
すると、式4.1は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
2^{k+2}-\left(k+1\right)^2-5\left(k+1\right)-4=2\cdot2^{k+1}-k^2-5k-4\tag{5.3}
\end{eqnarray}
ここで、式5.2を用いると式5.3は以下のようになる。
\begin{eqnarray}
式5.3&>&2\left(k^2+3k\right)-k^2-5k-4\\
\\
&=&k^2+k-4\tag{5.4}
\end{eqnarray}
この時、式5.4は\(4\geq k\)において増加関数である。
よって、\(k=4\)の時に\((式5.4)>0\)であることを示すことができれば\(n=k+1\)の時でも式5.1を満たすことになる。
\(k=4\)の時、式5.4は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
(式5.4)=4^2+4-4=16>0
\end{eqnarray}
よって、\(n=k+1\)の時でも式5.1を満たすことが示された。

よって、数学的帰納法によって\(n\geq 4\)の時式5.1の不等式は満たされることが証明された。

問6の解答 13の倍数であるということは\(13m\)となるということと同義である

問題はこちら

数学的帰納法によって式6.1が13の倍数であるということを証明する。

まず、\(n=1\)の時を考える。
すると、式6.1は以下の様になる。
\begin{eqnarray}
3^{1+1}+4^{2\cdot1-1}=13
\end{eqnarray}
よって、\(n=1\)の時は式6.1が13の倍数であることが示された。

次に\(n=k\)の時に式6.1は13の倍数であると仮定する。
つまり、以下の等式が成立すると仮定する。
\begin{eqnarray}
3^{k+1}+4^{2k-1}=13m\\
(mは整数)\\
↓\\
3^{k+1}=13m-4^{2k-1}\tag{6.2}
\end{eqnarray}

ここで\(n=k+1\)の時の式6.1を考える。
すると、以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
3\cdot3^{k+1}+4^{2k+1}\tag{6.3}
\end{eqnarray}
この時、式6.2を式6.3に代入すると以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
(式6.3)&=&3\left(13m-4^{2k-1}\right)+16\cdot4^{2k-1}\\
\\
&=&3\cdot13m+4^{2k-1}\left(-3+16\right)\\
\\
&=&13\left(3m+4^{2k-1}\right)\tag{6.4}
\end{eqnarray}
ここで、\(3m+4^{2k-1}\)は整数なので式6.4は13の倍数であることが分かる。
よって、\(n=k+1\)の時も式6.1は13の倍数であることが示された。

よって、数学的帰納法により式6.1は全ての自然数nについて13の倍数であることが証明された。

問7の解答 2つの二項定理から\(\sqrt{2}\)を消去する

問題はこちら

全ての自然数nについて式7.1は自然数であることを数学的帰納法によって証明する。

まず、\(n=1\)の時の式7.1を考える。
すると、以下のように計算できる。
\begin{eqnarray}
\left(1+\sqrt{2}\right)^1+\left(1-\sqrt{2}\right)^1=2
\end{eqnarray}

次に\(n=k\)の時式7.1は自然数であると仮定する。
つまり、以下の関係が成立すると仮定する。
\begin{eqnarray}
\left(1+\sqrt{2}\right)^k+\left(1-\sqrt{2}\right)^k=m\\
(mは自然数)\\
↓\\
\left(1+\sqrt{2}\right)^k=m-\left(1-\sqrt{2}\right)^k\tag{7.2}
\end{eqnarray}

ここで\(n=k+1\)の時の式7.1を計算する。
\begin{eqnarray}
\left(1+\sqrt{2}\right)^{k+1}+\left(1-\sqrt{2}\right)^{k+1}\tag{7.3}
\end{eqnarray}
ここで、式7.2を式7.3に代入する。
\begin{eqnarray}
(式7.3)&=&\left(1+\sqrt{2}\right)\left(m-\left(1-\sqrt{2}\right)^k\right)+\left(1-\sqrt{2}\right)^{k+1}\\
\\
&=&m\left(1+\sqrt{2}\right)+\left(1-\sqrt{2}\right)^k\left(-2\sqrt{2}\right)\\
\\
&=&m+\sqrt{2}\left(m-2\left(1-\sqrt{2}\right)^k\right)\\
\\
&=&m+\sqrt{2}\left(\left(1+\sqrt{2}\right)^k-\left(1-\sqrt{2}\right)^k\right)\tag{7.4}
\end{eqnarray}
ここで式7.4における\(\left(1+\sqrt{2}\right)^k\)と\(\left(1-\sqrt{2}\right)^k\)を二項定理で展開するとそれぞれ以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\left(1+\sqrt{2}\right)^k=\sum_{l=0}^k{}_k C _l\sqrt{2}^{l}\\
\\
\left(1-\sqrt{2}\right)^k=\sum_{l=0}^k{}_k C _l\left(-\sqrt{2}\right)^{l}\\
\end{eqnarray}
以上の2つの二項定理の差は\(\sqrt{2}\)の奇数乗のみの項が残るので以下の様になる。
\begin{eqnarray}
\left(1+\sqrt{2}\right)^k-\left(1-\sqrt{2}\right)^k=2\sum_{l=0}^k{}_k C _{2l+1}\sqrt{2}^{2l+1}
\end{eqnarray}
よって、式7.4は以下のように計算することができる。
\begin{eqnarray}
(式7.4)&=&m+\sqrt{2}\sum_{l=0}^k{}_k C _{2l+1}\sqrt{2}^{2l+1}\\
\\
&=&m+2\sum_{l=0}^k{}_k C _{2l+1}\sqrt{2}^{2\left(l+1\right)}\\
\\
&=&m+\sum_{l=0}^k{}_k C _{2l+1}2^{l+2}>0式7.5
\end{eqnarray}
よって、\(n=k+1\)の時は式7.5は自然数であることが示された。

よって、数学的帰納法から全ての自然数nについて式7.1は自然数であることが証明された。

関連単元
二項定理とは

漸化式と数学的帰納法の解説はこちら